もくの日暮らし

東京の片隅に住む、子なし専業主婦の日々を綴ります。

うつ病は「こころの癌」だと言いたい

難治性うつ病15年選手のもくです。

 

今回は、うつ病は「こころの風邪」という表現に異を唱えたいと思います。

 

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我が家のミモザ。うちに来て5〜6年?今年初めてたくさんの蕾がつきました!

 

うつ病を発症して15年、数えきれないほど生死の境を彷徨いました。今もたまに死に引き込まれそうになることがあります。

 

そんな経験から、うつ病を「こころの風邪」とする表現は全く持って不適切で、うつ病は簡単に治るものだという誤解を与えかねない表現だと、危機感を感じるのです。

 

私はうつ病は「こころの癌」と言っても差し支えないほどに、人生において重大な病気であると思います。

 

うつ病がどんな病気か症状の具体的な例として、私がうつ病を発症した頃の症状のお話を少し。

 

食事の味はせず、まるで砂を噛んでいるようでした。

自律神経が完全に狂い、真夏にお布団を被っても寒かったです。

光がとても眩しく感じるので、昼間はカーテンを閉め切って過ごしました。

音ももの凄くうるさく感じ、まるで音が脳に突き刺さるようで、診察待ちのテレビの音が本当に苦痛でした。

文字も読めず、昼間起きている間は眠ることもできず、ただ天井を見つめることしかできません。

そして、起きている間は常に希死念慮がつきまとい、睡眠薬でやっと眠れても寝ている間はずっと悪夢にうなされました。

 

 

ふ〜

 

思い出すとキツいな。

 

息をするのもめんどくさくて、生きているのが本当に辛かった。生き地獄でした。

よく死なずに頑張ったなと、我ながらすごいなと思います。

 

一般的にうつ病は、発症すると治療に半年から一年以上かかると言われています。

そして、うつ病を発症した人のうちの2〜3割が難治性うつ病となり(何故長期化するのかは現在のところ解明されていません)、多くの時間をかけても寛解に至ることが難しくなります。

また、うつ病は再発率の高い病気です。そして、再発するごとにさらに再発率が高まるという恐ろしい病です。

さらに、目に見えない病気のため治療が難しい上に(合う薬を探したり、合う先生を見つけるのも大変)、周囲からの病気への理解を得られない確率が非常に高いです。

「うつ?あー、私もたまにうつっぽくなることあるよ。わかるわかる。もっと気楽に生きなよ。」

「いつになったら治るんですか?」

「元気そうだから、大丈夫じゃない?」

などなど、これらは私が実際に周りの人に言われて追い詰められた言葉たち。

 

…と、うつ病は大変だということを長々と書きましたが、結局一番言いたいのは、

 

予防して発症しないこと

 

が最も大切だということ。

 

ちなみに、私はうつ病発症前に以下の症状が出ていました。

 

・睡眠が変だな。

疲労が抜けないな。

・精神的にずっと辛いな。

・皮膚がかゆいな。

・花粉症が酷いな。

・身体が重いな。

・やる気がでないな。

・常に緊張してるな。

・涙が勝手に出てくるな。

・死にたいな。

などなど。

 

当時私は大学院生。流石に変だと思い、大学の保健管理センターでカウンセラーに相談したのですが、「就活生にはよくあることだから、大丈夫。ほら笑って笑って!」という感じで軽く受け流され精神科受診に至りませんでした。

もし、この時に休めていたら。

今とは違った人生になっていたかもしれません。

そして、私自身当時はうつ病に関する正しい知識が乏しく、うつ病は甘え病だという偏見も持っており、自分がなるわけがないという謎の自信まで持っておりました。思い返すと恥ずかしい…。

精神科へのイメージも悪く、漠然と怖いな、絶対行きたくないな。保健管理センターでおかしいと言われたら行くしかないな、と思っていました。

なので、明らかに自分の状態がおかしくても、自分で判断できず受診ができなかったのです。

 

ちなみに私のうつ病は、毒親+弟が発達障害持ち+元々の気質が繊細+研究室でのストレスなどが重なり発症したものと思われます。

発症要因も人それぞれで、予防法も人それぞれであるところにも、うつ病の難しさが潜んでいると思います。

 

発症すると寛解までに時間を要し、症状が苦しく、治療も大変で、命を落とすことも多々あるが、誰でもなり得るということで、今回「こころの癌」という表現を使いました。

 

 

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春はすぐそこ。

 

色々伝えたいことが渋滞して、読みづらい文になってしまったかも…。

 

ただただ、うつ病になることへの危機感が少しでも広まっていってほしいです。